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私たちがエクステリア工事を行う際に、必ずと言っていいほど施工するものに駐車場のコンクリート工事があります。
このコンクリート工事のことを【土間コンクリート】と呼びます。

今回は、普段あまり聞くことのないコンクリートについてお話ししたいと思います。





土間コンクリート工事で重要なポイントはいくつかありますが、そのひとつに「誘発目地」というものがあります。
土間コンクリートは通常、一般家庭の駐車場であれば厚さ10cmのコンクリートと5〜6mmのワイヤーメッシュで構成されています。これで十分な強度を得ることができるわけですが、強度とは別に、コンクリートの収縮による細かいヒビ割れ(クラック)が起こることがあります。
これは、コンクリートが乾いて固まる時に、自然的に収縮を起こし、その結果表面にヒビ割れが起こるというもので、使用上においては何の問題もありません。
しかし、一般家庭での駐車場においては、見た目の美しさが重要であり、細かいクラックは無いに越したことはありませんね。
そこで私たちは、クラックが入りそうな箇所に、あらかじめ人工的なヒビを作っておき、あちこちに格好悪いクラックが入るのを防ぐといった目的で【誘発目地】を使います。
写真の黒い線状のものがそれです。
あらかじめヒビを入れておくのですから、それ以上ヒビが入らないわけです。

最近では、黒い目地材を使用せず、型枠で10cm程度の隙間をあけておき、最後に砂利を入れたり、芝やタマリュウなどを植えこんでデザイン性を高めた目地を作ることが増えましたが、これも誘発目地の一種です。

誘発目地は、目的がはっきりしているため、どこに入れてもいいというワケではありません。
職人の経験から、どこに入れるのが最も効果的かを判断し、有効な箇所に入れてあげることが大切になってきます。

たまに、「何でそこに目地を入れたの?」と疑問に思う現場を見かけることがあります。
せっかく入れるのであれば、正しい知識で正しい場所に入れる必要があると思います。

ちなみに、コンクリートの中に入れるワイヤーメッシュですが、実際にはコンクリートの強度にはさほど影響がないんです。
また、ワイヤーメッシュを入れたからといって、細かいヒビを完全に防げるものでもありません。
コンクリートが何らかの原因で強く引っ張られたり曲げられたりした時のために、補助的に入れてあると言った方が正しいかもしれません。
なので、「私の家は、コンクリートにメッシュが入っていないから、強度が弱くて心配だ」と悩む必要はありません。
コンクリートの強さは、あくまでもコンクリート自体の強度と、コンクリートの厚みが大きく影響するものです。
一般家庭の駐車場では、主に乗用車クラスの荷重に耐えられるよう設計されていますから、一般家庭の厚さ約10cm程度の駐車場に、荷物満載の大きなトラックなどが乗ると、たとえどんなに良い施工をされたコンクリートでも割れてしまう危険性がありますので気を付けたいものです。